歯のバリア

こんにちは衛生士の石橋です。

今回は歯の表面を覆っている膜「ペリクル」についてお話しようと思います。

歯にはペリクルという唾液由来のタンパク質でできた厚さ0.1μm程のとても薄い膜で覆われています。 ✳︎1μm=1/1000㎜
ペリクルには歯を酸から守る作用がある為、簡単に脱灰が起こりません。
歯を守ってくれる大切な膜なのにとても薄いけど、歯磨きをしたら剥がれてしまうのでは? と思いますが、ペリクルは通常の歯磨きでは落とせません。
歯科でのクリーニングをする事で除去できますが、除去後数時間で再び歯面に生成され、歯を守ってくれます。

しかし、歯を守ってくれる反面、細菌の付着を誘導してしまうというデメリットもあります。
ペリクルを足場に細菌が付着し、バイオフィルムという菌のコロニーを形成していきます。
このバイオフィルムは歯磨き粉や洗口剤に含まれる薬剤をコロニーの中に入れない作用があるため除去するのはとても大変です。
バイオフィルムを除去するために、普段の歯磨きと定期的な歯科でのクリーニングをする事で虫歯、歯周病のリスクを減らすことができます。

今回のお話はいかがでしたか?

何か疑問などあればお気軽にお尋ねください。