タバコと歯周病

こんにちは。

歯科医師の玉田です。

今回はタバコと歯周病についてです。

タバコを吸っていると歯肉の腫れや出血が見た目以上に抑えられ、患者さん自身も歯周病に気づきにくくなります。

実際に治療を始めても歯肉の治りは悪く、手術を行ったとしても効果の現われ方が非喫煙者よりも低いです。

タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」は組織への酸素供給を妨げ、「ニコチン」は一種の神経毒で、血管を縮ませるので、体が酸欠・栄養不足状態になります。

ニコチンは体を守る免疫の機能も狂わせるので、病気に対する抵抗力が落ちたりアレルギーが出やすくなります。更に傷を治そうと組織を作ってくれる細胞の働きまで抑えてしまうので、手術後も治りにくくなります。

また、「ヤニ」という形で歯の表面に残っているので、歯がざらざらしてバイ菌が張り付きやすくなるのはもちろん、いつまでもお口の中や歯肉にニコチンが染み出しつづけることになるのです。

禁煙することで、歯周病にかかりやすさは4割も減ります。手術後の治療経過も禁煙者は非喫煙者とほとんど差が無くなります。

ちなみに他の病気でも、肺癌にかかる危険は喫煙者では非喫煙者の4.5倍ですが、禁煙すると4年で2.0、5年で1.6、10年で1.4倍と着実に落ち着いてきます。

歯周病予防と全身の健康のためにも喫煙者の方には禁煙にチャレンジして、健康な生活を送って頂きたいと願っております。