新年度を迎えて

1月10日に参加しているジアズクラブ東京の新年1回目の勉強会に参加して来ました。

例年1回目はジアズ主催の小野先生による3時間に及ぶ特別講演です。
前半は今後の歯科の展望や症例検討をして頂きとても参考になりました。
後半は例年通り人として、歯科医師としての心構えに関してでしたが、毎年身が引き締まる思いで聞かせて頂いています。

心に響く多くの話がありましたがその中でも
「5年後、10年後のビジョンを持つ」
「謙虚で素直な気持ちと、感謝の心を忘れない」
今年はこの2つを特に意識しようと思いました。

スタッフと一緒により良い歯科医院作りに反映させるよう日々忘れずに過ごして行きたいと思います。

 

 

ドライマウスについて

衛生士の石橋です。
あけましておめでとうございます。

今回はドライマウスについて書いていきたいと思います。

ドライマウス(口腔乾燥症)とは、名前の通り、お口の中が乾く症状を言います。

今の時期エアコンなどで乾燥していますが、健康な状態では水分補給をすれば対処できます。

ドライマウスの方の場合、水分補給をしても一時的にしかおさまりません。
ドライマウスは、唾液の分泌量が減り様々な問題が起こります。

唾液は、食事の時に噛み砕いた食べ物を飲み込みやすいようまとめ、飲み込む時には潤滑剤の役割をします。
食事の後は、お口の中に残った食べ物の洗浄する効果もあります。

また、お口の中は歯以外の部分は全て粘膜なので、様々な刺激から粘膜を保護する作用があります。

他にも、消化酵素や抗菌作用、お口の中をpH7程度(中性)に保つ役割や、食べ物の味をわかりやすくする効果など、様々な働きをしています。

ですので、唾液の分泌量が減ってしまうと上記の作用が低下してしまいます。

悪化すると、粘膜や舌が傷付き、痛みを起こしたり、唾液中の抗菌作用で一定数だった細菌が増殖し強い口臭がしたり、虫歯、歯周病になりやすくなります。

ドライマウスの原因は

・口呼吸により、乾燥した空気が常に出入りしている為にお口全体が乾燥してしまう。

・ストレスにより唾液分泌量が減少する。

・柔らかい食べ物を摂る機会が多く、咀嚼回数が少なくなり唾液を分泌する信号があまり脳へ行かなくなり、徐々に分泌量自体が減少する。

・加齢による分泌量の減少。

・薬の副作用により唾液分泌量が減少する。

・シェーグレン症候群によるドライマウスの併発。

などがあります。

予防、対処法は

・こまめに水分を取り、なるべく潤った状態を保つ。
こまめに水分補給をするので、糖分の入った物だと虫歯の原因になりますので、水が好ましいです。

・唾液腺マッサージをし、唾液の分泌を促す。
大きな唾液腺は、顎の下(奥歯の下辺り)と、もみ上げの辺りにあります。
優しくマッサージしてあげる事で唾液の分泌の促進が期待できます。

・よく噛んで食事をする。
噛む事で脳に唾液分泌を促す信号が行きます。

・人口の潤滑剤を使う。

という方法があります。
水分補給、よく噛む、マッサージをする。
専門的な知識が必要なく、すぐに実践できるものばかりです。

最近口の中が乾くなぁ…。と思ったら試してみて下さい。
今年も患者さんに喜んでもらえるようにがんばっていきます。
よろしくお願します。

虫歯の進行について

歯科衛生士の松原です。

2018年になりました。本年もどうぞよろしくお願い致します。

今回は虫歯の進行について書いていきます。

虫歯はC0〜C4までの段階に分けられ、それぞれの進行に伴った治療が行われます。

まずはごく初期の虫歯の状態であるC0について説明していきます。

歯の一番表層のエナメル質が少し溶かされて、白や茶色に濁ったりします。(エナメル質については前回のブログを参考にしてください。)

また噛み合わせの面の溝に茶色く変色がみられることもあります。

この段階では痛みなどの症状はほとんどありません。

削らずにフッ素塗布や定期的なクリーニング、ご自宅でのセルフケアなどで様子を見ることもあります。

次にC0よりも1段階虫歯が進行したC1について説明します。

この段階ではエナメル質のみが溶かされ歯に穴が開いた状態です。

C1では虫歯がエナメル質にとどまっているため痛みはほとんどありません。

ですが、穴が開いている状態ではセルフケアは難しくエナメル質を越えた虫歯の進行スピードは速くなるため、通常は虫歯を削って詰め物をして治療します。

虫歯が出来た場所により、詰め物の種類は変わります。

虫歯は1度出来てしまうと基本的には元には戻りません。
経過観察をしていく大きさの段階の虫歯でも注意してフッ素を使用するなど、進行をなるべく抑え維持していけるようにセルフケアをする必要があります。

次回はC2〜C4の虫歯の進行について書いていきます。

歯間ブラシについて

衛生士の石橋です。

今回は歯間ブラシについて書いていきます。

加齢や習癖、治療後の補綴物(被せ物や詰め物)の形態によりできた隙間の清掃に、歯間ブラシはとても有効です。

先日患者さんから
「歯間ブラシを使うと余計に歯茎が下がってしまうのではないか。」
と質問がありました。
確かに、歯間ブラシが入るスペースのないような所に無理に歯間ブラシを使おうとすれば歯肉退縮の原因になりますが、その部位に合ったサイズを使い、適切に操作をすればとても良い清掃器具です。
歯間ブラシにはメーカーにもよりますが、LL〜4Sまでと幅広くサイズがあります。
狭い隙間に大きいサイズは入りませんし、大きな隙間に小さいサイズを使えば、清掃はできますが効率が悪いです。
隙間に入れた時に痛みや抵抗がなく、動かした時にブラシの感触がわかるものを選ぶと良いと思います。

歯茎を傷めてしまう危険が高いのは歯間ブラシを隙間に入れる時です。
斜めや上からブラシを入れると歯茎に傷をつけてしまいます。
奥歯の方は頬や舌があり少し難しいですが、基本的には真横から入れます。
慣れるまでは鏡を見ながら使うようにしましょう。
鏡を見ながら使ってもうまく入らない場合は無理せず、ご質問頂ければと思います。

今年もあと僅かですね。
年末は忙しくなりますが風邪など体調崩されないように気をつけて下さい。

歯の構造について

歯科衛生士の松原です。
12月になりました。年内の予約も段々と混雑し始めていますので、歯でお困りの事があれば、お早めにご連絡下さい。

今回は歯の構造について書きたいと思います。

歯はいくつかの層の中に神経があり、さらにその歯を支えている骨や歯茎などがあります。

歯を支えている組織にも色々とありますが、今回は歯の構造について説明していきます。

まず歯の1番外側の層をエナメル質といいます。
ここの層が1番硬い層です。また人間の身体の中でも最も硬い組織です。

次にエナメル質の下に象牙質という層があります。
エナメル質に比べ柔らかい組織で歯の神経を取り囲んでいます。

そして象牙質の中側には歯髄があります。
これはよく歯の神経と言われている部分です。

この3つの層により歯は構成されています。
虫歯の進行はこの層のどこまで進行しているかにより、分類されます。
次は虫歯の進行や特徴について書きたいと思います。

来年もどうぞよろしくお願い致します。

12月2日・3日 JIADS30周年記念学術大会出席

12月2日・3日に現在参加している勉強会のJIADSが開催した「JIADS30周年記念学術大会」に出席して来ました。
1日目は30周年記念大会という事もあり、現在の歯周病治療の基礎を築いたDr.の一人でもあるDr. Myron Nevinsが来日しご講演をして頂きました。

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Dr. Nevinsが40年近く前に歯周外科治療を行い、良好に経過した長期の症例はとても素晴らしく今後の治療の目標となります。

また2日目は自分と同じように毎月勉強会に参加されている先生方の発表でした。基本的な術式に更に新しい治療方法を取り入れ、より発展させた治療方法は目を見張るものばかりでした。
今回得た知識を、今後の診療に生かしていきたいと思います

12月の忙しい中2日間休診させて頂きありがとうございました。

 

南清和先生ステップアップセミナー受講

H29年11月19日(日)に南清和先生のステップアップセミナーに参加して来ました。
内容は院内運営に関してです。

歯科医院も企業と同じように、人の組織で成り立っています。
歯科治療において様々な分野を多くの人が専門的に行い、機能し、更に向上していかなければなりせん。
それにあたって、大阪で多くの歯科医師やスタッフを指導されてこられた南先生の考え方や、システムを聞かせて頂きました。

内容に関してはもちろん素晴らしい事ばかりでしたが、何よりも南先生に一番感じたことは、明確な目標を立て、それに対して向かう熱い情熱でした。
自分よりも年上の先生にも関わらず「まだまだ」と多くの事に取り組む姿勢は本当に参考になりました。

具体的な内容はもう一度良く見直してから、スタッフと相談し、患者様、スタッフにとって、今後もより良い医院環境作りを続けて行きたいと思います。

喫煙と歯周病

衛生士の石橋です。

今回は喫煙と歯周病がどう関係しているのかを書いていきたいと思います。

喫煙=肺がんというイメージがあるかと思いますが、煙は最初口から入り肺に移動するので、煙の通り道である口の中や咽、喉頭がんのリスクも上がります。

では歯周病とはどのように関係しているのでしょうか。

タバコに含まれるニコチン、一酸化炭素は強い血管収縮作用があり、歯茎に十分な栄養、酸素の供給ができなくなります。

血管が収縮している為、見た目には発赤もなく、歯ブラシなどでの出血もしにくいので自覚するまでに時間がかかり重篤化している事が多いです。

他にも、ニコチンには免疫機能を狂わせる作用もあり、歯周病菌への抵抗力も落ちます。

傷ができた時、治そうとする細胞の働きを抑える為、外科的なアプローチをしたとしても傷の治りが悪いので予後不良になりやすいです。

また、ヤニが歯面に残る事でそこからニコチンが溶け出してきます。

歯面に付いたヤニはザラザラしているので歯石と同じように細菌がつきやすくなり、口の中の菌数を増やす事になります。

このように、喫煙によって歯周病にかかりやすくなり、かかった場合は悪化しやすい環境を作ってしまいます。

ただ、中毒性も強い為、喫煙されている方はなかなか止める事が出来ないと思います。

今は禁煙外来や色々な禁煙補助具があります。

そういったものを使い、少しずつでも本数を減らし、ゆくゆくは止められるといいですね。