口腔バイオフィルムについて①

衛生士の石橋です。
今回は口腔バイオフィルムについて書きたいと思います。

バイオフィルムとは、多種の細菌が集まりできたコロニーの事です。
わかりやすいものだと、排水溝のヌメリもバイオフィルムです。

口腔バイオフィルは、口腔内の細菌からなるバイオフィルムです。

バイオフィルムはどうやって作られるのでしょう。

まず、唾液中の細菌が歯牙表面に張られた獲得被膜(ペリクル)付着し、多糖体を合成して菌同士でくっつき、薄い菌膜を作ります。
これをマイクロコロニーといいます。

これが積み重なり、何層もの分厚い膜に成長し、キノコのような形になったものをバイオフィルムといいます。

バイオフィルムは多種の細菌から構成されていますが、なんとバイオフィルム内では菌種に関係なく情報交換がされており、口腔内の環境変化に合わせ、菌の成長速度や毒素の生成などの調整をしていると言われています。

何層にも重なってできているため、薬剤が深部まで到達せず、薬剤のみでの除去は難しいです。
また、集団のため、白血球の食作用などの免疫攻撃により排除されません。

洗口剤などの薬剤も深部まで到達せず、効果を発揮できません。

ではバイオフィルムはどうやって除去すれば良いのでしょうか。

ヌメリ汚れの掃除と同じです。薬剤が効かないのなら機械的な清掃が有効になります。

毎日のブラッシングで小さなコロニーの内からしっかりと除去するのが大切です。

誰にでも磨き辛い場所、磨けない部分があります。
そういう部分は定期的に歯科医院で除去していきましょう。

歯周病の進行について

歯科衛生士の松原です。
今日は歯周病の進行について説明します。

歯周病は徐々に症状が進行していきます。
初期の頃は自覚症状が出にくく、気づきにくいこともあります。

1 歯肉炎
歯肉の溝にプラークという歯の汚れがたまった状態が続くと、歯肉に炎症が起きて腫れてきます。
炎症により歯肉の溝が2~3mmとなり、歯肉ポケットが形成されます。

2 軽度の歯周病
歯肉の炎症がひどくなると歯周病菌が歯周組織に侵入し、歯を支えている歯槽骨や歯根膜が破壊され始めます。
歯と歯肉の境目の溝も3~5mmと深くなり、歯周ポケットという病的な溝になります。
深い歯周ポケットの中は歯ブラシで清掃できないので、プラークや歯石がたまってきます。

3 中等度の歯周病
炎症がさらに拡大し、歯槽骨も半分近くまで溶けてしまうため歯はぐらつきはじめます。
歯周ポケットも4~7mmとさらに深くなります。

4 重度歯周病
歯槽骨が半分以上溶け、歯はぐらぐらになってしまいます。
骨の支えが無くなるので、歯が脱落したり、痛みが出ることがあります。

歯周病は歯の汚れが原因で進行することが知られていますが、それ以外にも歯周病の進行させる因子があります。

1. 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
2. 不適合な被せ物
3. 喫煙
4. 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
5. ストレス
などが挙げられます。

歯周病の進行には予防がとても大切です。
ぜひ歯科医院にて定期検診を受けてみて下さいね。

夏季休暇のお知らせ

昨年まで、夜の就寝時のクーラーはタイマーの使用を推奨されていたと記憶していますが、今年は各報道番組で熱中症予防のため夜間の継続した使用を推奨している程の猛暑となっています。
毎日暑く寝つきの悪い日が続いていますが体調管理にお気をつけください。

先日の休みの日、夏休みに入った子供達と近くに散歩に行った時、多摩川の野球場でこの暑さを吹き飛ばすような大きな声を出して中学生達が試合をしていました。
自分も大学まで野球部でしたので懐かしさもあり見ていたのですが、しばらくもすると強い日差しと暑さで観戦を断念し、すぐに子供達を連れて近くのコンビニに駆け込みました。
自分達の学生の時の練習時に暑い日はありましたが、「こんなに暑かったかな?」と涼しいコンビニの中で思い返していました。

「やまもと歯科医院」は来週の8月15日(水曜日)・16日(木曜日)・17日(金曜日)を夏季休暇とさせて頂きます。
お休みに充電して、夏の後半も乗り切って行きたいと思います。
ご迷惑をお掛け致しますがよろしくお願いします。