バイオフィルムについて②

衛生士の石橋です。

前回はバイオフィルムがどういったものなのか書きましたが、今回はバイオフィルムが直接関与する全身疾患について書きます。

バイオフィルムが直接的な原因となり罹患してしまうのは、誤嚥性肺炎です。

最近はこの病名を耳にする事も多いと思います。

去年の日本人の死因では総合で肺炎が5位でした。

その中でも高齢者の誤嚥性肺炎の割合はかなり高いそうです。

誤嚥性肺炎は、唾液の不顕性誤嚥によって起こります。

不顕性誤嚥というのは、通常、唾液や飲み物が気管に入ってしまうと、咳をして外に出そうとする反射が起こりますが、加齢等により嚥下反射、咳反射機能が低下し、それが起こらずに肺の方まで液体が行ってしまう事を言います。

この時に誤嚥してしまった唾液に含まれる細菌により肺炎になってしまいます。

高齢者では、就寝中の唾液の誤嚥により発症してしまう事が多いようです。

就寝中は唾液の分泌が減り、細菌が最も増える時なので、誤嚥した時の菌数も多くなってしまいます。

寝る前にしっかりと歯磨きをする事で菌数を少なくしておく事はとても大切です。

舌のお手入れ

歯科衛生士の松原です。

今日は舌のお手入れについて書きたいと思います。
皆さんは舌ブラシをご存知ですか?

歯に付着する歯垢などと同様に、舌にも汚れが付着します。

その舌の汚れ「舌苔」は口臭の原因のひとつにもなります。

歯をブラシでお手入れするように、舌のお手入れも必要です。

ただし、舌はとてもデリケートなので、通常の歯ブラシで磨くと舌を傷をつけてしまい、ばい菌感染を起こしてしまったり逆効果となります。

必ず舌専用のブラシを使用し優しく磨くようにしましょう。
回数は週2〜3回、汚れが気になった時に使用することで十分に汚れを落とすことが出来ます。

磨く際は、必ず奥の方から手前にブラシを動かします。
逆に動かすと、汚れが奥の方へいってしまうので注意しましょう。
また奥の方を磨こうと、頑張り過ぎてしまうと嘔吐反射を起こします。

舌の汚れを綺麗にしようとして強く磨き過ぎてしまったり、回数を頻繁に行うと舌の表面が荒れてしまったり傷になり、こちらも逆効果となりますので注意しましょう。

歯磨き粉には研磨の成分が入っていることがほとんどなので、舌のお手入れには使用しません。

舌ブラシは当院や薬局、量販店にて購入することが出来ますので、使用した事がない方はぜひ試してみて下さい。

和泉雄一先生 ご講演

今月参加したJIADS勉強会では、東京医科歯科大学歯周病学講座前教授 和泉雄一先生がご講演されました。

一般臨床の歯科医師にとってお会いする事さえも難しい先生ですが、この度大学を退職されJIADSの顧問を引き受けてくださった経緯でこのような機会を頂きました。

昨年まで、研究されていた最新の歯周病治療や材料、海外での歯周病治療における考え方等、大学にいらっしゃった先生ならではのとても興味深いお話でした。

どうしても、一般診療中心だと最新の治療の情報を得る機会が少ないのですが、今後は和泉先生を通じ指導して頂けるとの事なので、当院でもそれらを反映できるようスタッフ共々レベルアップしていきたいと思います。