犬歯について

こんにちは 。歯科衛生士の國生です。

今回は犬歯についてです。

大人の歯は全部で28本あります。親知らずを含めると32本です。この中で犬歯とは、前から数えて3番目に位置する、とがった形をしている歯です(糸切り歯)。周りの歯よりも遅く生えるので顎が小さかったり、歯の生えるスペースがない場合、八重歯になってしまう事があります。

犬歯はほかの歯よりも根が長く、強い力にも耐えられる構造となってるため、噛む運動、特に顎を横方向に動かす際に、他の歯に力がかかり過ぎない様に力を受け止めて、他の歯を保護する役割になっています。

歯を噛み合わせた状態から、横にずらしていったときに犬歯だけが当たる動きを犬歯誘導と呼びます。犬歯誘導が行われない噛み合わせでは、奥歯に横方向からの力が強くかかってしまうことで、次のような症状が出てくることもあります。

・他の歯に負担がかかり、歯に亀裂が入りやすくなる
・奥歯に知覚過敏や痛みが起こりやすくなる
・奥歯がグラグラしてくる
・歯周病が進行しやすくなる
・顎関節症を引き起こしやすくなる

実際には歯を使う頻度や力も個人差がありますので、犬歯や犬歯誘導だけが原因とは限りませんが、犬歯は大きな役割を担う大事な歯です。長く使っていくために、日頃の歯磨きや歯科医院でのクリーニング、歯並びによっては矯正治療が必要な方もいます。何か気になることがあればご相談下さい。