乳歯と永久歯の違いについて

こんにちは。

歯科医師の玉田です。

 

今回は乳歯と永久歯の違いについて、説明します。

乳歯は白に近く、永久歯は黄色味を帯びている。

大きさ

乳歯のほうが永久歯よりひとまわり小さい。

歯質

乳歯のエナメル質・象牙質の厚みは永久歯の半分程度と薄い。

乳歯は永久歯に比べ石灰化が不十分である。

このことから、乳歯は弱く、むし歯になりやすく、すぐに神経までいく大きなむし歯のリスクが高いといえます。

生えたての乳歯は、歯質が粗く凸凹になっているので、しっかり汚れが取れにくくなっています。

それを補うのが、フッ素です。

定期検診でしっかり予防していくことが、子どもの未来のお口の中の健康に繋がります。

ぜひ子どもの時から定期検診の習慣を身につけましょう。

 

歯周病の検査について

こんにちは 。歯科衛生士の國生です。今回は歯周病の検査についてです。

歯周病は、歯茎が腫れたり歯を支える骨が溶けていく病気です。進行すると、歯茎から出血したり歯が揺れてきます。

1、歯周ポケットの深さの計測

器具を歯と歯茎の間に差し込み、深い歯周ポケットがないか検査をします。健康な歯茎では1~3mm、4mmを超える辺りから歯周病となります。出血があるかどうかも記録していきます。

2、レントゲン検査

歯周病は歯を支える歯槽骨が吸収されていき、進行するほど歯が揺れていきます。

3、清掃状況の検査

歯周病の直接の原因は、歯に付着した汚れです。歯周病の治療を進めていくうえで歯の磨き方の改善が必要とされています。

歯磨きをすると出血をしたり、食事の際に歯が揺れて食べづらいと感じる方は歯周病の可能性が高いです。歯科医院での検診、クリーニングを半年以上していない方は一度検査をされることをおすすめします。

電動歯ブラシについて

こんにちは。

歯科医師の玉田です。

今回は電動歯ブラシについてです。

電動歯ブラシは一定の圧力と速度で歯磨きができること、手は歯ブラシを支えるだけで上下には動かさず、歯に軽く当てるようにして使用します。

電動歯ブラシの種類は大きく分けると次の4つがあります。

【振動式歯ブラシ】

ヘッド部分が振動して歯垢を落とす。数百円程度で購入できる商品がある。

【高速回転歯ブラシ】

ヘッド部分が高速回転して歯垢を落とす。ヘッド部分が丸形をしている。

【音波歯ブラシ】

音波の高速振動でブラシの毛先が接していない周囲2mmまで汚れを落とす。200300Hzの音波振動で、毎分24万回振動する。

【超音波歯ブラシ】

口の中の水分を利用し振動を発生、超音波で歯垢の一部を破壊して汚れを落とす。毎分約120万回、2Hz以上の振動数がでている。

 

電動歯ブラシを使用するメリット

1、清掃効率がよい

人間には不可能な速さで動き、歯の表面についた汚れをきれいに除去するため短時間で歯垢を落とせます。

また、手を使って磨くときには届かなかった場所、たとえば歯の根本にある歯周ポケットの中も掃除可能です(振動のみタイプ以外)。

 

2、年齢を選ばず簡単に使える

電気で勝手に振動するため、使い方さえ間違わなければどの年齢層の人でも簡単に歯をきれいにできます。力を入れてはいけない製品のため、力がない子供や高齢の方でも疲れずにしっかりと歯磨きができます。

 

3、歯にかかる圧力を一定にできる

電動歯ブラシは電気の力で動くため、軽く支えるように持つだけで一定の圧力をかけて磨けます。手動であれば力を入れてしまうところと軽く磨くところの差がでてしまいますが、電動歯ブラシではその心配はありません。どの歯でも平等に同じ力で磨けます。

 

デメリット

1、お金がかかる

手動の一般的な歯ブラシは100円程度で購入できますが、電動歯ブラシは数千円から数万円かかります。

 

2、電池や電力が必要

電動製品のため、電池か充電が必要です。充電式の場合は洗面所のコンセントにさしっぱなしにしておけますが、外へ持ち運びたい方は電池式を選ぶ必要があります。

 

3、歯や歯茎が傷つく場合がある

電動歯ブラシは自分で上下に動かさず、歯に軽く触れる程度で使用します。しかし手動の歯ブラシに慣れている方はついつい手でも動かしてしまったり、力を入れたりしてしまいます。高速で振動しているところに力が加わると、歯の表面が削れたり歯茎に傷を作ったりする場合があります。

手動も電動もどちらも良いものです。

自分にあった歯磨きの仕方で選びましょう。

犬歯について

こんにちは 。歯科衛生士の國生です。

今回は犬歯についてです。

大人の歯は全部で28本あります。親知らずを含めると32本です。この中で犬歯とは、前から数えて3番目に位置する、とがった形をしている歯です(糸切り歯)。周りの歯よりも遅く生えるので顎が小さかったり、歯の生えるスペースがない場合、八重歯になってしまう事があります。

犬歯はほかの歯よりも根が長く、強い力にも耐えられる構造となってるため、噛む運動、特に顎を横方向に動かす際に、他の歯に力がかかり過ぎない様に力を受け止めて、他の歯を保護する役割になっています。

歯を噛み合わせた状態から、横にずらしていったときに犬歯だけが当たる動きを犬歯誘導と呼びます。犬歯誘導が行われない噛み合わせでは、奥歯に横方向からの力が強くかかってしまうことで、次のような症状が出てくることもあります。

・他の歯に負担がかかり、歯に亀裂が入りやすくなる
・奥歯に知覚過敏や痛みが起こりやすくなる
・奥歯がグラグラしてくる
・歯周病が進行しやすくなる
・顎関節症を引き起こしやすくなる

実際には歯を使う頻度や力も個人差がありますので、犬歯や犬歯誘導だけが原因とは限りませんが、犬歯は大きな役割を担う大事な歯です。長く使っていくために、日頃の歯磨きや歯科医院でのクリーニング、歯並びによっては矯正治療が必要な方もいます。何か気になることがあればご相談下さい。

親知らずについて

こんにちは。

歯科医師の玉田です。

今回は親知らずについてです。

親知らずとは、「智歯」「第三大臼歯」とも呼ばれ、一番奥に生えてくる永久歯です。

親知らずが生えてくる時期には個人差がありますが、10代後半から20代が一般的です。他の歯と違い、親が歯の生え始めを知ることがないことが、「親知らず」という名前の由来とされています。

もともと親知らずがない人もいれば、歯肉の下に埋まったままで、生えてこない場合もあります。

親知らずがまっすぐ生えてきて、綺麗に磨ける場合は、特に問題にならない事もあります。しかし、親知らずによって何らかのトラブルが生じる場合には、抜歯が必要になります。

むし歯

親知らずが斜めに生えてきたり、途中までしか生えて来ない場合は、歯ブラシが届きにくく、むし歯になりやすくなります。また、親知らずと手前の歯の隙間に汚れがたまりやすくなり、手前の歯がむし歯になることもあります。

歯肉の炎症

親知らずが斜めに生えたり、まっすぐ生えてきても途中までしか生えてこない場合は、歯と歯肉の間にプラークや食べかすがたまりやすくなり、親知らず周囲の歯肉に炎症が起きてしまいます。歯肉が腫れたり、痛みが生じます。
また、重症化すると口が開けにくくなったり、顔が腫れたりすることもあります。炎症がひどい場合は、軽減してから抜歯を行います。

歯根の吸収

親知らずが手前の歯に食い込むように生えてくると、手前の歯の歯根吸収を引き起こしてしまう場合があります。歯根吸収が進むと、親知らずだけでなく手前の歯の抜歯も必要になることがあります。

口臭

親知らず周辺は不衛生になりやすいことから、口臭の原因になってしまう可能性もあります。炎症によって歯肉に膿がたまったり、むし歯が進行したりすることも臭いの原因になります。

親知らずが気になる方は一度ご相談下さい。

シーラントについて

こんにちは 。歯科衛生士の國生です。

今回はシーラントについてです。

シーラントとは奥歯の溝をプラスチック樹脂で一層埋めることによって、虫歯を予防する方法です。主に生えて間もない6歳臼歯に行います。
生えたばかりの歯は表面が未成熟で弱く、虫歯になりやすく、むし歯になると早く進行します。
虫歯はできるだけ早い時期に治療を受けることが大切です。
虫歯の進行が初期の段階であれば、小さい範囲を削るだけですむので、簡単な治療で終わります。
歯の表面を強くするフッ素を塗るのも効果的です。
定期検診ではクリーニングと合わせてフッ素を塗ることをおすすめしています。

歯磨き粉について

こんにちは。

歯科医師の玉田です。

今回は歯磨き粉についてです。

それぞれの目的別にどのような歯磨き粉が良いかを挙げました。

また、歯磨き粉は補助的な役割であり、きちんと歯ブラシで汚れが落ちていることが前提となります。

歯周病予防:イソプロピルメチルフェノール(IPMP)や塩化セチルビリジニウム(CPC)、塩酸クロルヘキシジンなどの薬効成分があるもの。

虫歯予防:フッ素が配合されているもの。酸の抑制や細菌の活動を抑える働きがあるのでフッ素含有量が高いものを選ぶ。

口臭予防:塩酸クロルヘキシジンや塩化亜鉛が口の中の細菌を減らすので、口臭予防に繋がる。
歯周病菌に対する成分(CPCIPMP)や、すっきり爽快感が得られるようアルコールやミントの成分を含んだもの。

知覚過敏:硫酸カリウムや高濃度フッ素配合のもの。

歯の黄ばみ:ステインなどの着色汚れを除去する成分が配合されたもの。ポリリン酸ナトリウムやハイドロキシアパタイトが配合のもの。

症状にあわせて歯磨き粉を選んでみて下さい。

 

歯ぎしりについて

こんにちは 。歯科衛生士の國生です。

今回は歯ぎしりについてです。

歯ぎしりとは、上下の歯が接触している状態を言います。

1、歯ぎしりの3つのタイプ

〈歯ぎしり型〉
歯をギリギリとすり合わせて、噛み合う面全体がすり減っていきます。

〈咬みしめ型〉
無意識のうちに咬みしめていて、音は鳴りません。病気ではありませんが、骨隆起が出る人が多いです。

歯ぎしり、食いしばりを放置していると、歯が欠けたり、動揺したりする事もあります。歯肉炎、歯周炎にも繋がり、口が開けづらかったり、口を開けるとカクっとなる場合もあります。頭痛、肩こりなども起こることがあります。

〈きしませ型〉
ある一定の場所だけで、歯をすり合わせるタイプです。

2、ナイトガードについて
歯にかかる負荷を減らすため治療に用いられるのがナイトガードです。装着すると歯のかわりに削れてくれます。

眠るときにつけるので、始めは違和感がありますが使い続けることで症状が軽減されていきます。お手入れは水や中性洗剤で洗い、週に1度、専用の洗浄剤を使って消毒するのをオススメします。お湯を使うと変形するので注意が必要です。

スーパーフロスについて

こんにちは。

歯科医師の玉田です。

今回はスーパーフロスについてです。

スーパーフロスはブリッジのポンティック(ダミー)の部分をお掃除するのに使いうものです。

ブリッジというのは、並んでいる途中の歯を抜いた時に、その両隣りの歯を削ってかぶせたものです。

抜いたところはちょうど橋のようになっているので、ブリッジといいます。 ポンティックというのは、歯がない部分に作られた人工歯の部分をいいます。

ブリッジは ポンティックの下部分、歯ぐきに接するところにもプラーク(歯垢)は溜まってしまいます。

スーパーフロスでここを定期的にきれいにしていれば問題ないのですが ブリッジを入れてから一度もスーパーフロスを通していないという方が結構いらっしゃいます。

通してみるとプラーク(歯垢)がたくさんついていたら出血が見られるケースが少なくありません。

スーパーフロスを使い、キレイになると、歯茎の炎症も治まり、痛みや腫れ出血もなくなっていきます。

ただ、このような特別な用具は扱いが難しくかったり、ブリッジや歯茎の状態によって、スーパーフロスが通らない場合もあります。

心配な方は一度、定期検診でご相談下さい。

ドライマウスについて

こんにちは 。歯科衛生士の國生です。

今回はドライマウスについてです。

ドライマウスは唾液の分泌量が低下してお口の中が乾燥する病気です。
原因として、全身的な疾患、服薬による副作用、加齢などがあります。

唾液は主に耳下腺、顎下腺、舌下腺の3ヶ所から1日約1.5L分泌されます。

ドライマウスにはお口の中のねばつき、舌の痛み、口臭、食べ物がうまく飲み込めないといった症状があります。

薬剤の副作用による場合には薬剤の減量や変更、中止などを医師の指示のもとに行います。

その他唾液腺のマッサージや人工唾液、お口の中を潤すためのリンス、保湿ジェルなどもおすすめです。
乾燥の防ぎ、お口の機能を改善します。

唾液腺マッサージのやり方をお伝えしたり、保湿ジェルのサンプルをお渡し出来ますので、お気軽にご相談下さい。