舌のお手入れ

歯科衛生士の松原です。

今日は舌のお手入れについて書きたいと思います。
皆さんは舌ブラシをご存知ですか?

歯に付着する歯垢などと同様に、舌にも汚れが付着します。

その舌の汚れ「舌苔」は口臭の原因のひとつにもなります。

歯をブラシでお手入れするように、舌のお手入れも必要です。

ただし、舌はとてもデリケートなので、通常の歯ブラシで磨くと舌を傷をつけてしまい、ばい菌感染を起こしてしまったり逆効果となります。

必ず舌専用のブラシを使用し優しく磨くようにしましょう。
回数は週2〜3回、汚れが気になった時に使用することで十分に汚れを落とすことが出来ます。

磨く際は、必ず奥の方から手前にブラシを動かします。
逆に動かすと、汚れが奥の方へいってしまうので注意しましょう。
また奥の方を磨こうと、頑張り過ぎてしまうと嘔吐反射を起こします。

舌の汚れを綺麗にしようとして強く磨き過ぎてしまったり、回数を頻繁に行うと舌の表面が荒れてしまったり傷になり、こちらも逆効果となりますので注意しましょう。

歯磨き粉には研磨の成分が入っていることがほとんどなので、舌のお手入れには使用しません。

舌ブラシは当院や薬局、量販店にて購入することが出来ますので、使用した事がない方はぜひ試してみて下さい。

和泉雄一先生 ご講演

今月参加したJIADS勉強会では、東京医科歯科大学歯周病学講座前教授 和泉雄一先生がご講演されました。

一般臨床の歯科医師にとってお会いする事さえも難しい先生ですが、この度大学を退職されJIADSの顧問を引き受けてくださった経緯でこのような機会を頂きました。

昨年まで、研究されていた最新の歯周病治療や材料、海外での歯周病治療における考え方等、大学にいらっしゃった先生ならではのとても興味深いお話でした。

どうしても、一般診療中心だと最新の治療の情報を得る機会が少ないのですが、今後は和泉先生を通じ指導して頂けるとの事なので、当院でもそれらを反映できるようスタッフ共々レベルアップしていきたいと思います。

口腔バイオフィルムについて①

衛生士の石橋です。
今回は口腔バイオフィルムについて書きたいと思います。

バイオフィルムとは、多種の細菌が集まりできたコロニーの事です。
わかりやすいものだと、排水溝のヌメリもバイオフィルムです。

口腔バイオフィルは、口腔内の細菌からなるバイオフィルムです。

バイオフィルムはどうやって作られるのでしょう。

まず、唾液中の細菌が歯牙表面に張られた獲得被膜(ペリクル)付着し、多糖体を合成して菌同士でくっつき、薄い菌膜を作ります。
これをマイクロコロニーといいます。

これが積み重なり、何層もの分厚い膜に成長し、キノコのような形になったものをバイオフィルムといいます。

バイオフィルムは多種の細菌から構成されていますが、なんとバイオフィルム内では菌種に関係なく情報交換がされており、口腔内の環境変化に合わせ、菌の成長速度や毒素の生成などの調整をしていると言われています。

何層にも重なってできているため、薬剤が深部まで到達せず、薬剤のみでの除去は難しいです。
また、集団のため、白血球の食作用などの免疫攻撃により排除されません。

洗口剤などの薬剤も深部まで到達せず、効果を発揮できません。

ではバイオフィルムはどうやって除去すれば良いのでしょうか。

ヌメリ汚れの掃除と同じです。薬剤が効かないのなら機械的な清掃が有効になります。

毎日のブラッシングで小さなコロニーの内からしっかりと除去するのが大切です。

誰にでも磨き辛い場所、磨けない部分があります。
そういう部分は定期的に歯科医院で除去していきましょう。

歯周病の進行について

歯科衛生士の松原です。
今日は歯周病の進行について説明します。

歯周病は徐々に症状が進行していきます。
初期の頃は自覚症状が出にくく、気づきにくいこともあります。

1 歯肉炎
歯肉の溝にプラークという歯の汚れがたまった状態が続くと、歯肉に炎症が起きて腫れてきます。
炎症により歯肉の溝が2~3mmとなり、歯肉ポケットが形成されます。

2 軽度の歯周病
歯肉の炎症がひどくなると歯周病菌が歯周組織に侵入し、歯を支えている歯槽骨や歯根膜が破壊され始めます。
歯と歯肉の境目の溝も3~5mmと深くなり、歯周ポケットという病的な溝になります。
深い歯周ポケットの中は歯ブラシで清掃できないので、プラークや歯石がたまってきます。

3 中等度の歯周病
炎症がさらに拡大し、歯槽骨も半分近くまで溶けてしまうため歯はぐらつきはじめます。
歯周ポケットも4~7mmとさらに深くなります。

4 重度歯周病
歯槽骨が半分以上溶け、歯はぐらぐらになってしまいます。
骨の支えが無くなるので、歯が脱落したり、痛みが出ることがあります。

歯周病は歯の汚れが原因で進行することが知られていますが、それ以外にも歯周病の進行させる因子があります。

1. 歯ぎしり、くいしばり、かみしめ
2. 不適合な被せ物
3. 喫煙
4. 全身疾患(糖尿病、骨粗鬆症、ホルモン異常)
5. ストレス
などが挙げられます。

歯周病の進行には予防がとても大切です。
ぜひ歯科医院にて定期検診を受けてみて下さいね。

夏季休暇のお知らせ

昨年まで、夜の就寝時のクーラーはタイマーの使用を推奨されていたと記憶していますが、今年は各報道番組で熱中症予防のため夜間の継続した使用を推奨している程の猛暑となっています。
毎日暑く寝つきの悪い日が続いていますが体調管理にお気をつけください。

先日の休みの日、夏休みに入った子供達と近くに散歩に行った時、多摩川の野球場でこの暑さを吹き飛ばすような大きな声を出して中学生達が試合をしていました。
自分も大学まで野球部でしたので懐かしさもあり見ていたのですが、しばらくもすると強い日差しと暑さで観戦を断念し、すぐに子供達を連れて近くのコンビニに駆け込みました。
自分達の学生の時の練習時に暑い日はありましたが、「こんなに暑かったかな?」と涼しいコンビニの中で思い返していました。

「やまもと歯科医院」は来週の8月15日(水曜日)・16日(木曜日)・17日(金曜日)を夏季休暇とさせて頂きます。
お休みに充電して、夏の後半も乗り切って行きたいと思います。
ご迷惑をお掛け致しますがよろしくお願いします。

歯列矯正中のブラッシング

歯科衛生士の石橋です。

今回は矯正治療中の歯磨きについて書いていきます。

最近、大人、子供に関わらず歯列矯正をしている方が多いですよね。

矯正治療中は、矯正器具を装着する為、ブラッシングが難しい所が多くなります。

磨けていないまま放置していれば虫歯になってしまいます。

せっかく歯列を綺麗に並べ直しても、矯正器具を取った後に虫歯があったら残念ですよね。

そうならない為にも、調整時に歯科でクリーニングする以外にも、毎日の歯磨きをしっかりとする必要があります。

磨き残しが多いのは、歯に接着する四角い器具、ブラケットの周りです。

歯の表面に接着材で装着する為、どうしても接着材のザラつきがあり、汚れが付着しやすく、ワイヤーを通している為、ブラシが当たりづらくなります。

この部分は、歯の上、根元側から斜めにブラシの毛先をワイヤーの下に入れて汚れを落とします。

あまり力をかけすぎると、装置の脱離や、歯肉退縮の原因になってしまうので優しく磨いてあげてください。

他にも、歯が動き出して今までになかった隙間ができてくると、そこに汚れが溜まります。

頰側からのブラッシングだけでは間の汚れは落とせないので、裏側からしっかりとブラッシングをし、汚れを落としましょう。

せっかく時間をかけ、痛みを耐えて綺麗に並べるのですから、綺麗な状態で矯正を終わらせられるように毎日の歯磨きも頑張っていきましょう。

歯周病について

歯科衛生士の松原です。

歯周病についてどのくらい知っていますか?

最近ではCMでもよく耳にします。

歯周病は歯茎や歯を支える歯周骨などの病気です。

歯周病は「歯周ポケット」と呼ばれる歯と歯ぐきのすき間にある溝に残った汚れや、歯ぎしりくいしばりなどの過重負担が原因でおこります。

歯みがきが不十分で磨き残しがあると、次第に歯周ポケットには細菌の塊である汚れがたまっていき、歯ぐきの内部で炎症を起こします。

また歯ぎしりやくいしばりなどの過重負担や歯並びによる早期接触があると、歯を支えている歯周骨が吸収する原因になり、より歯周ポケットが深くなり、清掃不良が起こりやすい悪循環が起こります。

日本では現在20歳以上の約72%、40代~60代では80%以上が歯周病に罹患してと言われています。
*厚生労働省23年歯科疾患実態調査 N = 4,253人

歯周病はなかなか症状が出にくく、また痛みを伴うことが少ないので重度になるまで、放置してしまう方が多くいらっしゃいます。

次回は歯周病の進行について説明していきます。

嘉ノ海龍三先生 ご講演

毎月JIADSという勉強会に参加させて頂いているのですが、今月は兵庫県で
ご開業されている嘉ノ海龍三先生による、矯正(歯を並べる治療)に関しての講義を受講させて頂く機会がありました。

自分は一般歯科医なので、口腔外科や歯周病科の先生の講義を聞かせて頂く機会は多いのですが、矯正の講義は初めてと言っていい程です。

今回嘉ノ海先生の講義で、一般歯科医でも小児期からの成長過程において遺伝的な要因以外に「歯列不正を起す原因の除去方法」や「矯正専門医との連携手段」、「問題発生時の保護者への指導」など出来る事をとても分かりやすく指導をして頂きました。

今後、小児期の患者さんを診療させて頂く際にはより「一口腔単位」でのケアや、矯正専門医との綿密な連携でアドバイスが出来ると思います。
お子様のお口の中で心配な事がありましたらいつでもご相談ください。

 

 

勉強会に参加してきました

衛生士の石橋です。

5月27日に母校で行われた卒業生対象の勉強会に参加してきました。

内容はエキスプローラーの操作についてでした。

エキスプローラーとは、針のような器具で、今回の勉強会では普段診療で使っている物とは別の歯石の探索のしやすい形の物を使いました。

最初に座学があったのですが、年々教科書の内容が変更されており、私が在学していた時と大きく変わった部分についても講義がありました。

新しく資格を取って衛生士になってくる人とのギャップができない為にも基本的な事でも再度勉強する必要があるなと思いました。

座学の後に実習があり、実際に普段と違うエキスプローラーを使ってみて、いつも届きづらい所の探索がしやすく、先端も通常の物より細いので感触が全然違いました。

歯肉縁下歯石除去の時には使っていこうと思いました。

勉強会の後には懇親会があり、久しぶりに担任の先生やお世話になった先生方とお話でき、とても楽しかったです。

今回学んだ事をこれからの診療に活かしていこうと思います。

親知らずのトラブル

歯科衛生士の松原です。
今回は親知らずのトラブルについて書いていきたいと思います。

親知らずとは第2大臼歯(7番目)の奥に生えてくる第3大臼歯(8番目)です。

先天的に生えて来ない人もいますが、生えてくる人はトラブルが起きやすい歯です。

トラブルの例としては

①歯ブラシが届きにくく汚れがたまる
②歯茎が腫れる
③親知らずが虫歯になる
④親知らずの手前の歯が虫歯になる
⑤親知らずや隣の歯が歯周病になる
⑥上の歯が咬み合わずに移動し歯茎を噛んでしまう
⑦前に倒れ込んできて歯並びが悪くなる

などがあります。

治療法としては抜歯や虫歯、歯周病の治療を行います。

ただし親知らずは横に生えていたり、骨の中に埋まっていたり、根っこの形態が不完全なままであったり、清掃不良が起こりやすいので治療の予後が悪かったり、治療自体が行えない場合があります。

その場合は基本的に抜歯となります。

生え方によって抜歯の方法も異なりますので、レントゲン診査が不可欠となります。

また、親知らずが顎の神経と近い場合や接触している場合はCTなどでより精密に検査を行います。

親知らずで気になることがあれば担当医までご相談ください。