衛生士の石橋です。
前回はバイオフィルムがどういったものなのか書きましたが、今回はバイオフィルムが直接関与する全身疾患について書きます。
バイオフィルムが直接的な原因となり罹患してしまうのは、誤嚥性肺炎です。
最近はこの病名を耳にする事も多いと思います。
去年の日本人の死因では総合で肺炎が5位でした。
その中でも高齢者の誤嚥性肺炎の割合はかなり高いそうです。
誤嚥性肺炎は、唾液の不顕性誤嚥によって起こります。
不顕性誤嚥というのは、通常、唾液や飲み物が気管に入ってしまうと、咳をして外に出そうとする反射が起こりますが、加齢等により嚥下反射、咳反射機能が低下し、それが起こらずに肺の方まで液体が行ってしまう事を言います。
この時に誤嚥してしまった唾液に含まれる細菌により肺炎になってしまいます。
高齢者では、就寝中の唾液の誤嚥により発症してしまう事が多いようです。
就寝中は唾液の分泌が減り、細菌が最も増える時なので、誤嚥した時の菌数も多くなってしまいます。
寝る前にしっかりと歯磨きをする事で菌数を少なくしておく事はとても大切です。